2006年3月13日 地上の日常
 「ネコ好きっていうひとは大抵、『…ねこがね、わたしによってくるの』っていうよね」

 と、親友が言う。そこだ、それだ、とわたしは思う。ねこは好きだけど、ねこ好きの人に対してわたしが思わず身構えてしまうのは、その受身でいつつも高みから見下ろすような発言にあるのかもしれない。そんな気はないの、とねこ好きは言う。でも、無自覚だから余計にわたしは身構える。

 貪欲でなくたって、幸福は自然と近づいてくるものよ、追いかけるから幸福は逃げていくの、と、そんなふうにおしゃれに澄ましている。その澄ました横顔は、恋人だってお金だってそうなんだから、とでも言いたげである。…そこにわたしが感じて身構えてしまうのは、そんな鷹揚さを持たざるものの僻みなのかもしれない。

 ねこの仕草はいつも、邪険に扱うとその人が非難されるくらい愛らしい。その追い込むような愛らしさを回りに振りまいて、「貪欲ではないけれど、自然に寄ってくるものよ」という姿勢が、わたしを緊張させる。「好きだ、嫌いだ、ということにいろいろ理屈をつけるから難しくなるのよ」と、テラス席の椅子の上で「な〜ご」 

 しかし勉強会ですっかり帰るのが遅くなった明け方に、散歩中のダックスフント2匹が「ふんふん」ってわたしの足元にじゃれ付いて、飼い主のおじさんがいや〜すいませんねえなどと言いつつも「犬は犬好きの人がわかるんですよね〜」と破顔一笑、つまりは、わたしに自然とよってくるのはおしゃれで気まぐれなねこではなくて、不器用でも忠実でやっぱりかわいいわんこなのかもしれないと思うのだった。 
 他者の感情の起伏に振り回されるのは、なんと疲れるのだろう。
 言葉を、誠意を尽くしても「納得できない」と一言言われれば、おしまいになってしまう。コミュニケーションツールとしての言語がそのコミュニケーションを阻害する。

1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。


 この本を読んで、泣ける泣けないとかはどちらでもよいだろう。何、結論から言えば、非常に内容が分かりやすい本だ。分かりやすく淡々とストーリーは始まり、受け継がれ、展開部を迎え、分かりやすく切なく結ばれていく。やっぱりたくさんの人に読んでもらって、泣いてもらうには、平易で唐突すぎない展開であるべきなのだろう。スタンダード、何はともあれスタンダード。何をいろいろ言っているの、って、わたしが泣けなかったからにすぎない。

 まあしかし、わたしはどちらかといえば数式というか数字そのもの好きであるから、この博士の気持ち、同意できるわけです。シンプル、やはりシンプルでないと。シンプルにすることはとても難しく、美しく、楽しいということ。そんなことをシンプルでなく、複雑に捏ね繰り回している私の雑文。
 本当は普段と違うことを書きたかったのに、結局こうなる。これがわたしのスタンダードなんだろうか?
 私が生まれ育った田舎町は、戦中に堀口大学が何かの縁で疎開していたところで、母の勤め先の近くにその当時使用していた土地があった。それはもはや、片隅に堀口大学を記念するごく小さな石碑があるだけの、単なる薄だらけの空き地となり、しかし、彼の浪漫的な雰囲気から、「星の瞳のシルエット(柊あおい/りぼん/集英社)」における、星が降ってくるすすき野原ってこんなじゃなかろうか、とそれなりに乙女チックな想像を、妄想をしたこともあった。

 訳者・堀口大学に対する個人的想念はさておき、わたしとモーリス・ルブランの出会いは「ルパン対ホームズ」であり、その中のホームズの描かれようがなんとも滑稽で(ホームズが日頃はやや見下しているスコットランドヤードのレストレード警部並みに力技で強引な捜査しかせず、捕まえたルパンにもまんまと逃げられているのだ!)、軽い憤りすら感じた。
 しかしその頃から比較的律儀なわたしは、少なくとももう一冊ルブランの本を読まねば正確な評価ができない、と何故か決めていて、そうして読んだ813や水晶の栓は、荒唐無稽な面白さもあり、楽しませてもらった、という経緯がある。

 「棺桶島」はやはり荒唐無稽で、ルパンはその孫(?)にまで続くと納得させられるほど、女に弱く、時にどこか間抜けである。そんな適当な作戦でよいのか?と思うところではしっかり敵に見つかり、状況を悪くし、しかしどこから、いつのまに、というような腹心の部下や発明品で状況を一気に改善してしまう。
 昔、売れに売れたと言われるアレクサンドル・デュマも共通しているのだろうが、荒唐無稽な冒険、メロドラマ、サスペンス、は当時のフランスもそうだが、現在のハリウッド超大作にもなんら変わりはしない、そういうスタンダードな面白さなのだろう。

 しかし、「棺桶」+「島」となると、「死人の箱には…」という海賊の歌とスティーブンソンの「宝島」を思い出してしまう。いつだってわたしはスタンダードな面白さをそれなりに愛していて、本当は昔から乙女チックな妄想よりも荒唐無稽な冒険に心惹かれていた。
 …今となってはそのどちらも欠けているのだろうが。
 それにしても、やはりルパン対ホームズの中のホームズ様はちょっとかっこ悪くて切ない。
 こんな日記なんて書いているけど、エッセイ自体はそんなに好みじゃない。エッセイを書き散らす「自称・女文士」も「文章も書ける芸能人」もそんなに興味をそそられない。別に彼らもわたしなんかに興味をもたれたくもないだろうが。

 じゃー遍く「エッセイ」が嫌いなのだとしたら、それは思い込みとか食わず嫌いみたいなものなんじゃないのか?と問われれば、わたし自身もそう思わなくもない。しかし、そんなわたしでも、比較的好きなエッセイもある。
 
 ながなが書いて、要はそれが林真理子なのだが、この「女文士」よく出来ていた。きちんと面白く、バランスも良かった。詳しくは書く余裕がまだない。
 
 ポオなのかガストン・ルルーなのか、とにかくその頃からあらゆる型のミステリが思考され試行され施行され嗜好されてきたし、わたしも食わず嫌いではないひとなのでできる限り様々なジャンルに手を出してはみたものの、結局のところ行き着く先は「本格」であり、「動機よりトリック」なのである。だってわたしの行動自体、そんなに強い動機があるわけじゃないし。

 島田荘司は有名な人で、有名な人というのは好評も悪評も、おのずとアンビバレントな評価をもらってしまうものである。

 さて、いよいよこの「ロシア幽霊軍艦事件」について触れてみたい。
 印象としては、「切り裂きジャック〜百年の孤独〜(タイトルは正しくないかもしれない)」という、やはり島田氏の切り裂きジャックに対する考察をミステリとして上梓した作品なのだが、なんだかそれに似ていた。別に似ているのはトリックとか、そういうことではなく、事件の背景あるいは主役にあたる女性の悲哀が根底に描かれているという点である。
 さらにそこには本格らしく、奇抜な様でいてなんだか説得力のあるトリックがある。
 御手洗潔を名探偵にすえたストーリー展開もさすがにこなれていて、読みやすい。

 つまりは、ミステリとして本格ファンとして満足できる上に、ちょっといい話だったんですよね、パタリロみたいに。なんていったら、アメリカの島田氏はどう思うんだろうか。
お山のてっぺんの卵から生まれためっちゃパンクなサルやねん〜ゴダイゴ〜

・・・ではなく。
カナダ人兄弟Maynard(Vo&G)、Blaise(Vo&G)と日本人tax(Dr)、DICK(Ba)からなるハイブリッド・バンドMONKEY MAJIK


ということなのです。最近リメイクされた(?)「西遊記」の主題歌も歌っていたようですが。
 なかなかキャッチーで、ラジオとかで人気でそうかな〜と思っていたのだが、どうやら本当にそうらしい。
 そして今年の3月にはもう、この5年間のベストアルバムが出るというのだから、勢いがあるのでしょう。

 久しぶりに更新したのに、この文章の勢いのなさはなんだ?
 いや別に、この本持っているわけじゃないっすよ?

 この「タイ古式マッサージ」は、少し前から私の気になる存在ではあった。確か東京在住のペルシャ絨毯商人(トルコ人だったか?)が都内でタイ古式マッサージの店もいくつかやっていて、その理由が「私が今まで受けたマッサージの中で一番効いたから」というものだったわけだ。マッサージは国境を越える

 そうして先日、親友とスーパー銭湯に行ったところ、
『タイ古式マッサージはじめました』

と、なんだか初夏の冷やし中華みたいなことになっているではないか!基本的にこういうのはノリだ、と思っているフシもあったので、40分体験コース、お願いしました。

 NHK体操のお兄さん風の若い兄さんに部屋に案内されると、「申し訳ございません。本日、こちら天井のライトが切れておりまして、間接照明のみのムーディーな状態になっております」とのこと。何だそれ。あああこれでもうわたしの笑いモードスイッチが入ってしまいましたよ。
 マッサージというか、ひとまかせのストレッチングで、他力本願希望の私にとってはなかなか気楽なものだったのだが、この本の表紙の真ん中あたりのえびぞり的な姿勢になるときに、このお兄さんは
『ハイ、キメまーす♪』
 
 え、あなた今なに言いました?と思うまもなく、ぐはあ、とばかりにえびぞりとなり、反論も爆笑も不能となった。確かにポーズをキメるということなんだろうが、その掛け声は何なの?この後この名ゼリフ「ハイ、キメまーす♪」を少なくとも5回以上聞くことになろうとは…。
 お兄さんは「このマッサージは本場では120分行うのが普通なんですよ」というが、いやいや40分でもなかなかでしたよ。ペルシャ絨毯商人の言うとおり、いや効くわこのマッサージ。ていうかストレッチ。すごく体が軽くなったもの。しかも効果がその後3日は続くし。すばらしい、目覚めちゃったよ、タイ古式マッサージ!
 ああ、また疲れが溜まったら、キメてもらいに行こう、オカマっぽいお兄さん、と思いながら日常に戻るのです。
 家電とホームセンター大好きなわたしだが、なんとなく今までSONY製品ってあまり所有していなかった。だけど、コイツに関していえば、もうSONY以外ではPDA自体を製造していないし、そのSONYまでも撤退という、PDA氷河期 in Japanですよ、って何いってんだか。

 基本的にPCだのモバイルだの使いこなす人ではないので、「じゃーPDAなんていらないだろーよ」と言ってしまえばそれまでなのだが、仕事中に複数の本とかメモ帳とかを上着の両ポケットに入れて駆け回っていると、一日の終わりにはその重さが両肩にずっしりとのしかかり、兎に角これが少しでも軽くなれば、と思っていたところ、その持ち歩くべき本数冊がこのクリエにインストールできると言うではないか!…で、勢いづいて買いました。

 生産終了とは知ってはいたものの、このクリエをカスタマイズしたという情報がネット上でも多くて、基本的にPCについては他力本願なわたしでもナントカなるかなと思ったので。実際今のところ、購入してから数ヶ月たつけれども、基本的に他力本願でやっています。ナムー。

 周囲からは「どうせあんまり使わないんじゃないの?」と購入前に弄られたもんですが、なかなかどうして、むしろその周辺人物たちも購入し始めました。さては羨ましかったの?ふふふん。
俗に“ブラウン・アルバム”として知られている本作は、ザ・バンドという偉大なグループを語る際には、真っ先に名前が挙がるアルバムだ。ザ・バンドは、4名のカナダ人と1名のアーカンソー州出身者から成る5人組。このセカンド・アルバムは、彼らの他のどんなスタジオ・レコーディングよりも親しみやすい内容を持っている。


「本物のロックは、『The Band』の解散を以って、その終焉を迎えた」

 と、恩師は言った。
 彼はわたしの恩師であると同時にギターをかき鳴らし頭を振りつつjamり、スポーツカーを乗り回すPTA会長だ。彼に言わせると、この解散と共に「ロックは死んだ」と。そして残されたのは「商業主義に侵されたポップスと贋物のロック」と。

 まあどちらかというと、その「ポップス+贋物のロック」の世代なのでわたしにはなんとも云えないが(そして彼もまたその世代である)、その台詞は、コルビジェの「マンハッタンは低すぎる」と同じくらい格好よく響いたし、多分わたしが一生かかっても吐けない様な明言であることには違いなかろう。

 しかし、音楽とか本とか映画とか芸術とか、そういう自分の好みを語るのはなんと恥ずかしいことだろう。赤裸々ですよ、あからさまですよ。ほら、そこで電車の中で連れの女にいいとこ見せようとしていまさらIWGP(及びクドカン)語っちゃってるあなた、大分恥ずかしいですよ、ってわたしは思っちゃうんだけど、それでよし、とされる環境があるのも事実。割れ鍋に閉じ蓋。何か語るには語るだけのback groundが必要だろうし、無いならそれなりの謙虚さが必要だと思うわたしは古い世代ですかね、と問うと、このおじさま達は「そんなことないさ」と言ってくれているようである。
 
 休暇の際、彼女とグアムに行こうとしたら、直前にパスポートがどうしても見つからず出発当日にドタキャン、関東土下座組くらいに額を床にこすりつけ平身低頭懺悔をし、一人一泊2万円の温泉旅館で許してもらったという、切ないエピソードを持つ後輩が、これを読んでいた。

 彼の持つ本はなんだかぶかぶかしており、なぜかと問うと「フロで読むんで」とのこと。ずばり感想について尋ねると、まとまって読む時間が勿ったためか、最近の叙述ミステリへの抵抗感があるためか、最初の方は面白かったが後のどんでん返しでクエスチョンマークが飛び交い、終いにはなんだかよくわからんかったとのこと。

「まー俺が『ハサミ男』読んでる間に世間じゃ『電車男』だった、ってことっスよ」

 いやしかし、わたし自身はこのハサミ男はなかなかの秀作と思います。まず読みやすい、そして結構意外。想定内で意外。パラノイア的に意外だと折原一の倒錯シリーズとかになると思いますが、こういった感じの意外性はおもしろいといっていいんじゃないでしょうか。
 
 というわけで、久しぶりにミステリのこと。やはり、その内容から言っても、ミステリのことにはどうしても言及しづらい。じゃあ書くなって?
 実際のところ、はじめてテトラプルトラップを聴いたとき、すでに彼らは解散していて、切ない懐かしい思いで「Filmcut in the siesta」を聞いたのでした。

 その「懐かしい」感覚はおそらく声とか歌い方、っていうか音楽全体的な感じが「フリッパーズギター」に似ているところから来たんだろう。そういえば、その「Filmcut〜」のアルバムの帯には「ニュー渋谷系」とか書いてあったっけ。
 
 好きなものの基本形って結局変わらない、ということか。ふふふん。
お久しぶりです。とってもネット環境の良くないところに出張中の日々のため、大分ご無沙汰いたしました。でもその分、落ち着いて本が読めたような。

もうすぐ12月だけど、「クリスマス・テロル」ってご存知?佐藤裕哉って作家が書いていたと思うんだけど。確かそれは、「監視する-される」という対立項の錯綜と転倒がストーリーの主軸だった。この『幽霊たち』もそんな感じ。スピード感のある、サスペンス的な、でも切ない、しかたのない話。

そのスピード感はクロード・シモンの対極で、村上龍に近いかもしれない。

わたし、が生ある人間だとして、幽霊というものを想定したとして、幽霊から見たわたしって何? 宇宙人にとっての宇宙人は誰?あらゆる存在や規定はその条件さえ弄ってやれば簡単に転倒するものなのね、もはやそんな考え方さえ古くてダサダサ。あーどこかに新しい思考って落ちてないものかしら。それとも新しいものを見つけられないことが年をとるってこと?そうしていく間にもうすぐ師走、またわたしは走らなきゃいけない。今年のクリスマスイブも夜通し仕事の予定がもう入っているから。
 陰陽師はついに完結した。
 
 まだうまく語れない。また今度。

/05  坂本龍一

2005年10月5日 音楽
 さあさあ、今年も出ました。前作/04がオリジナル中心だったのと比較して、今回のは「聴いたことがあるあの名曲たち」の集合である。まあなんというか、スタンダードであろう。
 『ビギナーからマニアまで』(これは私の通っていた地方大学の近くに昔からある模型屋=玩具屋の看板に書いてある言葉だが)がピタリと来るであろう。
 
 さて、最近の私は少し時間的・精神的余裕が生まれつつあるスケジュールなのだけれども、12月には再び余裕の無い日々となることでしょう。でも、坂本龍一のツアーには行くのです。だって、家から歩いて10分程度の会場まで、あの世界の教授が来るんですから。
 先行予約で申し込んだりして、ちょっともう少し若い頃に戻った気分です。小澤征二も指揮したホールでサカモトはどんな音楽を奏でることやら。

鎌倉・流鏑馬

2005年9月17日 読書
 先日、鶴岡八幡宮で流鏑馬があったそうで。
 現、小笠原宗家の清信氏の息子、清基氏は若きイケメンで流鏑馬の達人とのこと、ズームインスーパーできゃーきゃー騒がれ特集されておられました。
 というわけで、私も朝の忙しい時間の中、思わず手を止めてその流鏑馬の技に見入ってしまったわけですが、これがなかなか、というか、兎に角も射形がきれいだったのですわ。

 弓道、というと、時々TVのドラマとかでそのシーンが取り上げられたりしてますが、なかなか難しいものです。
 わたしは最近こそ、この忙しさのあまりにおろそかですが、ついこの間まで日々練習していたほど、実は弓道マニア(一応、師匠が小笠原流だったので、わたしも)だったのですが、その視点からしても、未来の宗家・清基氏の射はとても美しくて、私は久方ぶりに「正射必中」という言葉を思い出しました。
 
 それでまた、練習したいなあ、なんて思うのです。・・・今は忙しくてとても難しいけれど。

ところで、今日UPした本、実はわたしは読んでません。見た目重視、とりあえずそれっぽい画像だったから。ごめんなさい、殺人なんてありもしないの。

月館の殺人

2005年9月5日 読書
母親の事情で物心付いた頃から電車にまったく乗ったことがない沖縄の女子高生「空海」が、遺産分与に関わる祖父の招待を受けて、寝台特急(SL)の「げんや」に乗り込む。そこで待ち受けるのは、7人のテツと殺人だった・・・


 ここのところ移動に次ぐ移動でバタバタしていたのだが、どんな土地でもついフラリと書店に立ち寄ってしまうのが、もう癖というか性というかなのだが、なるべく荷物を最小限に押さえたいと思いつつ、この本ばかりはどうしてもすぐに読みたくなってしまい、あえて購入。

 佐々木倫子のまんがはどちらかというと静的な絵柄と天然と軽いツッコミ、そして無軌道なやつらによって構成されている印象があって、そんな漫画が綾辻ミステリとどう絡むのか、それはずっと気になってはいたのだ。
 
 実際のところは、佐々木らしさはまったく損なわれておらず静的な絵柄も、天然(空海)も、無軌道なやつら(テツたち)も、ツッコミ(適材適所に)も、佐々木らしくそこにあった。
 綾辻らしさを探せば、寝台特急という密室性、それとつながるような月舘の祖父の豪華な館という「館シリーズ」につながるような「本格路線」であろうか。鉄道ミステリとは銘打ってはいるが、今のところ時刻表トリックとかはなさそうである。

 さてさて、いずれにしても、重い思いをして移動するだけの価値ある漫画ではあるだろう、佐々木倫子や綾辻行人の、あるいはその両方のファンであれば。
「菌がみえる」主人公”沢木惣右衛門直保”と、その幼馴染で親友、造り酒屋の息子である祐樹蛍が、農業大学へ進学!指導教授の樹慶蔵と院生である長谷川遥は、どーやらその菌がみえる能力を用いてなにやら大きな事に利用することをたくらんでいるらしい・・・。さらに寮の借金を返すためになんとしてもどぶろくを完成させたいダメ学生2人(片方は、”笑い飯”のヒトに似てると思うんですけど、わたし)。醸造発酵型農業大学キャンパスコメディー? 


突然ですが、愛地球博に行ってもいないですが「モリゾーとキッコロ」がとてもかわいいと思います。
りらっくまがかわいくてしかたありません。
村上隆氏の六本木ヒルズの「マサムネ」と「スピカ」はかわいいと思います。

「もやしもん」に出てくるたくさんの菌も、主人公・直保の目を通せば大変かわいいキャラクターに早変わり。そんで、「かもすぞ、かも(醸)すぞ」などいいながらふわふわしている細菌たちのなんと愛らしいことか!
 雰囲気としては動物のお医者さん的な要素もあるだろうか。
 理系まんがとしてかなり面白く、今後にも期待したくなる。そーいや、2年前にわたしが起こして培養した後に、液体窒素の中に眠らせている細胞達は元気なんだろうか。あんなに増やしたE.Coliももう何世代目までいっているんだろう。人間以外の生物と接していたあの頃がやや懐かしい。

 理系まんが/環境/発酵に興味がある方は、ぜひ。
・・・亡くなってしまったそうで。

 とはいえ、その逝去からはすでに何日も経過しており、実際私がその事実を知ったのも数日後のことでありました。

 まだお若いのに。隠居のご身分とはいえ、きっとまた面白い江戸漫画を描いてもらえると思っていたのに。

 PCの前で一人で黙祷―。

 さて、表題の「二つ枕」だが、花魁と客、遊廓では二つの枕がならぶ、そういうことを言っているとは思う。

 でもわたしの家では、吉原でも何でもないけれど、とりあえず常に二つの枕を並べて使用している。だってそーすると寝返りが打ち放題なんだもーん。そしてどっちも低反発なのです。ビバ・NASAのテクノロジー。
 暑くて慌しい日々が続いておりますが、てぃがーさんから頂いたバトンなぞ振り回しながら7月の最終コーナーをまわろうかと思っているのです。

1.持っている曲
 そんなに多くはないです。i-podにCD20枚分くらい、実家に10枚くらい、手元に50枚くらい?
 あと、テープでしか持ってない曲とかがちらほら。

2.今、聞いている曲
 frou-frouの「Details」
 トランポリンズの「The Trampolines」
 「Idee Life」
 テトラプルトラップ
のローテート。

3.一番最近買った曲
 Jamiroquai 「dynamite」

4・思い入れのある曲
 ?Kula-shaker の「Greatful When You’re Dead」「Hush」など
 …大学の友人が参加していたシロートライブで、唯一ウマいバンドが演奏していたのがこれ。最初は何の曲か分からず、すげー、シロートでもウマいってこういう感じなのかー、と思っていたのだが、数ヵ月後、偶然に中古CDショップでジャケ買いしたのがkula-shakerで、それを聞いて再会したときの感動といったら有りませんでした。

 ?BLANKEY JET CITY 「冬のセーター」「ディズニーランドへ」etc
 …わたしの弟分が、カラオケで歌ってくれることを思い出すと、そのころの仲間たちとの学生ならではのグダグダDaysが思い出されます。筋肉少女帯と並んで、うわー、この人たちだめなところが最高!と思わせてくれました。

 ?Micheal Jackson
 …無罪でしたね。
  彼は天才だろうと思うのです。ピークの頃の楽曲はどれもすごかったし、PVも上手に作りこまれてて、ショートフィルムでしたもの、10年以上も前から。低迷し始めてからも、アルバム曲の完成度は高いしセンスもなかなかだと思います。ただ、かつてほどのビッグヒットはないけど。聞き込んでいると良さが分かるタイプになってきたのかしら。

 ?坂本 龍一 「smooochy(特に美貌の青空)」「sweet revenge」他多数
 …なんだろう、思春期みたいな感受性絶頂の時期に触れたものって、どうしても愛着が湧くというか、その後の傾向を形作るとういうか、とにかく感動も抵抗もあるんだけど、サカモトへの感傷は不変・普遍なのですよ。もう何が良くて何がだめなんて云えないような。

 ?フリッパーズギター 「camera!camera!camera!」「samba parade」etc
 …これも同じく思春期です。渋谷なんか知らない頃の渋谷系です。テトラプルトラップなんか、聴いた瞬間に「そっくり
!(クリソツ)」と思いましたからね。電グルと同じくひとつの流派になっちゃってますよ、もう。
 

5.次のバトン、お願いしたい方。
 なつさん、G-darkさん。
 もしかしたらもう、回っているのかもしれませんが・・・。
 
 さすがに暑いです。
 普段は冷房の聞いたところで一日の2/3を過ごしているのでアレなんですが、帰宅するとすごく暑いです。
 
 昔からコーヒーが好きだったので、小さなコーヒー豆専門店に行っては、薀蓄と一緒に子音して気に入った豆を100gくらい購入し、使い古しのミルでガリガリやって、あまった豆は冷凍保存、などしていたけれど、最近は朝にコーヒーを丁寧に入れるだけの時間が取れなくて、ご無沙汰してました。
 このポットだと、寝る前に中細挽きのコーヒーを入れて、お水をいれておけば、翌朝にはアイスコーヒーになっているのでとても便利。変則的になかに新茶の茶葉を入れて、冷たい水出し緑茶なんかも試しています。早くお休みにならないかなあ。そうしたらもっとコイツで楽しめるのに。のに。

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