休暇の際、彼女とグアムに行こうとしたら、直前にパスポートがどうしても見つからず出発当日にドタキャン、関東土下座組くらいに額を床にこすりつけ平身低頭懺悔をし、一人一泊2万円の温泉旅館で許してもらったという、切ないエピソードを持つ後輩が、これを読んでいた。

 彼の持つ本はなんだかぶかぶかしており、なぜかと問うと「フロで読むんで」とのこと。ずばり感想について尋ねると、まとまって読む時間が勿ったためか、最近の叙述ミステリへの抵抗感があるためか、最初の方は面白かったが後のどんでん返しでクエスチョンマークが飛び交い、終いにはなんだかよくわからんかったとのこと。

「まー俺が『ハサミ男』読んでる間に世間じゃ『電車男』だった、ってことっスよ」

 いやしかし、わたし自身はこのハサミ男はなかなかの秀作と思います。まず読みやすい、そして結構意外。想定内で意外。パラノイア的に意外だと折原一の倒錯シリーズとかになると思いますが、こういった感じの意外性はおもしろいといっていいんじゃないでしょうか。
 
 というわけで、久しぶりにミステリのこと。やはり、その内容から言っても、ミステリのことにはどうしても言及しづらい。じゃあ書くなって?

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