「Appleを選ぶのは、『ブランド』を選ぶのと同じ感じですよ」
 
 と、以前、年上だけど後輩な人が言った。彼は、バブル期に大学・就職、友人同士で起業と、80-90年代を背負いきった人である。
 さて、学業+仕事の都合でPCを買おうと思い立った際、彼にAppleを勧められ、その後私はMac人となったわけだ。初めて自分で購入したのはPowerBookG3だったし、今のPCはPowerbookG4・12inchだ。
 
 そのころ、時代はWindowsを中心に動いていて、Macなんて、「なんだか全体的に素朴ででかい」「シンプルなものしかついてない割りに値段が高い」と、周囲からは鼻で笑われていたものだ。でも、キュートなアイコンとか、その単純な操作性、たまに機嫌を損ねるところなんかが次第にかわいらしく思えてきて、いいようのない愛着がわいてくるのである。

「老舗で、シンプルで、高くて、一見コストパフォーマンスはどうなの?って感じだけど、使ってみると愛着が湧いて手放せない、まさに不『ブランド物』って感じでしょ?」

と、バブル君は言うのである。確かに、と納得する点もあるわけだ。
 
 しかし、次第にAppleは進化し、非常に一般受けする製品を次々と市場に送り込むようになった。ipodブームもまさにその一つと言えるだろう。

 それでついに私はipodを手に入れた。
 使い始めて、しばらく経つ。

 初めて使うipodは、思いのほかすばらしくて、普段は不精な私も、少しずつながらインストールする楽曲を増やして行ったし、英語論文など読んだり、書類整理をしたりするときも、こいつがいないと気分が乗らない状態である。
 
 以前からMacユーザーだった私としては(とは言うものの、コアなファンではないのだが)、ipod人気は誇らしいと同時に、少し寂しい感じもするのだ。そういう気分にさせる人懐こさみたいなもの、そういうものがAppleのブランド性なのかもしれない。
 

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