現象学だとかテロリズムだとか、私が良く分からない60年代の風合い色濃い笠井作品で、「現象学的殺人事件ラブコメ・カケル&ナディア」のシリーズ、確か3作目にあたるんじゃなかったんだろうか。
 そして、この笠井氏はどうやら私が現在在住しているのと同県にいるらしいのだが、未だ邂逅できてはいないでいる。

 さて、それはともかくこの師走といえば、忘年会シーズンである。普段は大勢で騒ぎなれない人も、精一杯の笑顔でお酌をして回るなんていう、古式ゆかしいイベントだ。
 先だっても、忘年会の席にて、遅刻してしまった先輩がいた。宴はもはや終盤にさしかかっており、駆けつけ3杯どころではこの会場のグダグダ感にはついていけはしないという状況だった。まーあルーチンに尺でもするか、と思って近づくと、すでに瓶ビールをラッパのみしていた。
「いきなりラッパですか」
「ラッパだよ、ラッパ。七人の御使い、ってさ」
「…ある意味、ニガヨモギですかね。ビールのホップとか」
「おお、なかなかうまいこと言うねえ」

 突然の意味不明なネタフリにも動じない、それが私の先輩への敬意の表しかたではあるが、年末とはいえ、ヨハネのアポカリプスについての発言が出るのは予測不可能であった。
 その後、別の大先輩、マキャベリストによる「ヨハネ黙示録」
の講義が続く。

 そして結局、この続巻の「哲学者の密室」に至っては、何度か挑戦したものの未だに読了できていないのだ、根性が無いからね。 

 

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