メケメケ 意気地なしのケチンボ
 メケメケ 手切れの金さえくれない

 「メケメケ」で一世を風靡し、長年にわたって、私のシャンソンのイメージを担っていたのがこの三輪明宏殿である。

 とーちゃんのためなら、エーンヤコーラ
 かあちゃんのためなら、エーンヤコーラ

  「ヨイトマケの歌」で社会派デビューした三輪さんは、最近の記憶じゃ「もののけ姫」の『黙れ小僧!』なんて台詞でお眼にかかるくらいに露出が減ってしまった。あとは数年前に「台風が首都を直撃しないように竜神に祈ったら、台風は方向を変えていったわ」などと神がかり全開の発言を「笑っていいとも!」でしていたなあ、と。

 さて、私はかのお方がかなり好きなのであるが、それはやはり伝説的な逸話によっている。
 「銀座に紫色の頭の、きれいなオバケが出る」と15-16歳頃から言われていた三輪さまだが、既に三島由紀夫と親交が深かったと見える。
 ある夜、三島は一人の男を紹介した。…江戸川乱歩であった。
 乱歩は噂の美少年に次のように質問する。(以下、筆者のイメージ再現表現を過分に含みます。あしからず。)

「いったいきみには、何色の血が流れているんだろうね…実際に見てみたいものだよ」

「おやめなさいまし。虹色の血が流れて,貴方のお眼がつぶれますよ」

 以降,彼が黒蜥蜴を演じ続けていたのは,ご存知のとおり。
 
 人を魅きつける,という点において,突き抜けた,早熟な少年。
 かれは年をとってなお,突き抜け続けている。そういう「突き抜け感」が,わたしは大好き。 

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