朗読者 ベルンハルト・シュリンク
2004年8月18日 古代人の涙壺
…15歳のミヒャエル・ベルクは母親ほども年のはなれたハンナという謎めいた女性と恋に落ちた。「何か朗読してよ、坊や
!」ハンナはなぜかいつも本を朗読してほしいと求め、二人は人知れず逢瀬を重ねていた。…しかしハンナは突然失踪してしまう。彼女の秘密とは何なのか?二人に絡み付く過去の戦争の影は?…
かなり以前にこの本「ベルンハルト・シュリンク/朗読者」は手元にあったのだが、読む時期を逸していた。
しかし、偶然とか、巡り合わせというものはなぜか重なるものである。
先日、ある人が「スパイ・ゾルゲ」を観た、と言った。世間の評判はいまいちだけど、当時の各国の状況とか歴史的背景をきちんと知っている人にとっては結構面白いかも、と言っていた。私はそのような歴史を知っている訳ではないので、そうなの、とだけ相づちを打った。
その翌日、たまたま同僚に借りた「アドルフに告ぐ」を読む。そこにはナチスと日本が描かれていたが、ゾルゲの姿もあった。
そしてその翌日、この「朗読者」を読む。ここにも第二次世界大戦の、ナチスの影があった。
青少年期の性への目覚め、情熱的で柔らかなエロス。
秘密の多い魅力的な年上の女、机を並べて学ぶ同級生の少女の微笑み。
初めての愛と、謎と、切ない眼差しだけ残して突然失踪した女、数年後また突然に罪人として眼前に現れた女。
この著者は以前何作かミステリーを書いており、そのせいか、この作品も純文学的作風を持ちながらも「謎解き」のエッセンスが多い。だから私はあまり多くを語れない。
主人公ミヒャエルもハンナも、なんというか、「ドイツ的」である。律儀で、少し内省的で、慎重で、粘り強くて、堅固なプライドがある。 それでいて、どこか情熱的なゆるやかさがあるものだから、この二人は惹かれあったし、人生をともに歩むことはなかったけれど、離れがたい絆があったのかも知れない。
それで私は、というと、このように不器用で少し控えめに律儀な人は、きらいじゃないのである。
!」ハンナはなぜかいつも本を朗読してほしいと求め、二人は人知れず逢瀬を重ねていた。…しかしハンナは突然失踪してしまう。彼女の秘密とは何なのか?二人に絡み付く過去の戦争の影は?…
かなり以前にこの本「ベルンハルト・シュリンク/朗読者」は手元にあったのだが、読む時期を逸していた。
しかし、偶然とか、巡り合わせというものはなぜか重なるものである。
先日、ある人が「スパイ・ゾルゲ」を観た、と言った。世間の評判はいまいちだけど、当時の各国の状況とか歴史的背景をきちんと知っている人にとっては結構面白いかも、と言っていた。私はそのような歴史を知っている訳ではないので、そうなの、とだけ相づちを打った。
その翌日、たまたま同僚に借りた「アドルフに告ぐ」を読む。そこにはナチスと日本が描かれていたが、ゾルゲの姿もあった。
そしてその翌日、この「朗読者」を読む。ここにも第二次世界大戦の、ナチスの影があった。
青少年期の性への目覚め、情熱的で柔らかなエロス。
秘密の多い魅力的な年上の女、机を並べて学ぶ同級生の少女の微笑み。
初めての愛と、謎と、切ない眼差しだけ残して突然失踪した女、数年後また突然に罪人として眼前に現れた女。
この著者は以前何作かミステリーを書いており、そのせいか、この作品も純文学的作風を持ちながらも「謎解き」のエッセンスが多い。だから私はあまり多くを語れない。
主人公ミヒャエルもハンナも、なんというか、「ドイツ的」である。律儀で、少し内省的で、慎重で、粘り強くて、堅固なプライドがある。 それでいて、どこか情熱的なゆるやかさがあるものだから、この二人は惹かれあったし、人生をともに歩むことはなかったけれど、離れがたい絆があったのかも知れない。
それで私は、というと、このように不器用で少し控えめに律儀な人は、きらいじゃないのである。
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