とっても名著。

 まずこの著者が熱い。かといって直情的な訳ではなく、バランスよく熱心なのである。そして自分の理論を誇るよりはむしろ反省の気持ちの強いところに、筆者に対して好感が持てる。

 精神疾患、と銘打たれているが、臨床の現場で(外来でも入院でも)は医師ー患者関係の基本は「面接」なのである。この本は日常診療で患者と面接する立場であれば基本として押さえておくべき内容だ。
第一部:理論編
第二部:臨床編

に分かれているが、一般の方は第二部だったら飽きずに読めると思う。
 
 専門職の方は…きちんと理論編も読むといいと思う。すごく上手にまとまっているし、たとえが適切で分かりやすい。臨床編もいくつかの症例をもとに、分類(ICD-10)の手順や用語の使い方など解説も豊富である。

 「医療面接」に訪れる患者は誰でも常に何かしらの不安を抱えているものだ。精神疾患に限らず、すべての医療者は一度はこの本に触れておく方がいいかもしれない。

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